相続人が一人になってしまったときの遺産分割協議証明書のサンプル文例雛形
生年月日 昭和○年○月○日
死亡年月日 平成25年○月○日
本 籍 埼玉県東松山市○町○丁目○番地
相続人兼被相続人 坂戸花子
生年月日 昭和○年○月○日
死亡年月日 平成27年○月○日
本 籍 埼玉県東松山市○町○丁目○番地
上記被相続人坂戸太郎の死亡により開始した相続おける共同相続人坂戸花子及び坂戸一郎が、平成26年○月○日に行った遺産分割協議の結果、坂戸一郎が被相続人の遺産に属する後記物件を単独取得したことを証明する。
不動産の表示
所 在 東松山市○町○丁目
地 番 ○番○
地 目 宅 地
地 積 ○○・○○㎡
所 在 東松山市○町○丁目 ○番地○
家屋番号 ○番○
種 類 居 宅
構 造 木造スレート葺2階建
床 面 積 1階 ○○・○○㎡
2階 ○○・○○㎡
平成29年○○月○○日
埼玉県東松山市○町○丁目○番○号
(坂戸太郎の相続人 兼 坂戸太郎の相続人坂戸花子の相続人)
甲野一郎 (実印)
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遺産分割協議があったことの証明書(Wordファイル)
遺産分割協議書の書き方
遺産分割協議書の書き方の注意点については遺産分割協議書の書き方のページをご覧ください。
一人遺産分割協議証明書の解説
上記の図で、不動産の所有者である坂戸太郎さんが亡くなったとします。
相続人は、妻・坂戸花子さんと長男・坂戸一郎さんですが、遺産分割協議をしないまま妻・坂戸花子さんが亡くなったとします。
坂戸花子さんの相続人は長男・坂戸一郎さん一人です。
このとき、坂戸一郎さんは、坂戸太郎さん名義の不動産を自分が相続したとする遺産分割協議書を添付して、直接単独名義に相続登記できるでしょうか?
東京高裁平成26年9月30日判決では、被相続人が亡くなった後、遺産分割未了のまま他の相続人が死亡し、残った相続人が一人になった場合は、その相続人が作った被相続人の遺産を全部その相続人が取得する旨の遺産分割決定書を添付しても、被相続人から直接その相続人名義に相続登記できないとされました。
判決要旨
被相続人甲の相続人が乙及び丙の2人であり,被相続人甲の死亡に伴う第1次相続について遺産分割未了のまま乙が死亡し,乙の死亡に伴う第2次相続における相続人が丙のみである場合において,丙が被相続人甲の遺産全部を直接相続した旨を記載した遺産分割決定書と題する書面を添付してした当該遺産に属する不動産に係る第1次相続を原因とする所有権移転登記申請については,被相続人甲の遺産は,第1次相続の開始時において,丙及び乙に遺産共有の状態で帰属し,その後,第2次相続の開始時において,その全てが丙に帰属したというべきであり,上記遺産分割決定書によって丙が被相続人甲の遺産全部を直接相続したことを形式的に審査し得るものではないから,登記官が登記原因証明情報の提供がないとして不動産登記法25条9号に基づき上記申請を却下した決定は,適法である。
つまり、上記の図で、坂戸太郎さんが亡くなり、花子さんと一郎さんで遺産分割協議をせずに、次いで花子さんも亡くなった場合、一郎さんが自分が太郎さんの不動産を相続する旨の遺産分割決定書を作っても、直接、一郎さん名義に相続登記ができません。
坂戸太郎さん名義の不動産は、まず、花子さん2分の1、一郎さん2分の1の法定相続分で相続登記を入れて、その後、花子さんの2分の1の持分を一郎さんが相続したという登記を入れることになります。
2段階で相続登記を入れる必要があるので、司法書士報酬や登録免許税もその分高くなります。
これに対して、坂戸太郎さんの死亡後、花子さんと一郎さんで坂戸太郎さんの不動産を一郎さんが取得する旨の遺産分割協議をしておけば、遺産分割協議書を作成してなかったとしても、花子さんの死亡後でも一郎さんが遺産分割協議証明書(印鑑証明書添付)を作ることによって、坂戸太郎さんから直接一郎さんの単有名義に相続登記できます。
時系列にすると次のようになります。
- 平成25年 坂戸太郎さんが死亡
- 平成26年 坂戸花子さんと坂戸一郎さんが遺産分割協議をする(書類は作っていない)
- 平成27年 坂戸花子さんが死亡
- 平成29年 坂戸一郎さんが遺産分割協議証明書を作って相続登記可
坂戸花子さんの生前に書類は作っていないけど遺産分割協議をしたのか否かによって、結論が変わってきます。
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