信託設定時の課税について

贈与税、不動産取得税はかかるのか?

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信託を設定すると、委託者から受託者に名義が変わると説明しました。

それでは、名義が変わることにより、贈与税や不動産取得税がかかるのでしょうか?

信託を組んだ結果、実質的な信託財産の所有者は、利益を受ける人・受益者です。

元々、財産を持っていた委託者と信託財産の実質的な所有者である受益者が同一人物であれば、財産を他人に贈与したということではありません。

委託者と受益者が同一人物であれば、信託を組んでも、贈与税も不動産取得税もかからないのです。

贈与税も不動産取得税もかからずに、財産の管理処分権を受託者に移せることが信託を大きなメリットです。


それでは、信託を組んだときに、委託者と受益者が別人であったらどうなるでしょうか?

この場合は、実質的な所有者である受益者が別人ですから、実質的な財産の移転がおこりますから、贈与税の対象となります(みなし贈与)。


次に信託を組んだことにより相続税を計算する上での受益権の評価はどうなるでしょうか?

受益者の死亡を原因として、新たな受益者に受益権が移った場合などは、相続税の対象となります。

このときの受益権の評価は、基本的に所有権だったときの財産の評価と同じです。

不動産であれば、不動産の相続税の評価額と同じと言うことになります。


また、各種税制優遇については、信託を組んでもほとんど受けることができます。

例えば、相続税の申告の際に、居住用の宅地だと評価が8割減になるという制度がありますが、信託を組んでもこの制度は適用されます。


ただ、気をつけなければならないのが、損益通算の禁止規定です。

個人が受益者である信託において、不動産所得の計算上、信託した不動産から生じた損失がある場合には、その損失は信託していない他の不動産所得税や他の給与所得税等と通算できませんし、繰り越しもできません。

信託した不動産の赤字を、信託していない不動産や給与所得などから差し引きできないということで、不動産の大規模修繕などがある場合は注意が必要です。


13.家族信託のイメージと機能


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