清算受託者の最終の計算と承認は免除できない

家族信託の契約書例を見ていると次の様な条項が記載してある場合があります。

信託法第184条に定める清算受託者の最終の計算及びその承認の手続につき、残余財産の帰属権利者の同意がある時は、これを免除することができる。

しかし、信託法184条を見ると、別段の定めを規定できると書いてありませんから、信託契約書に上記の様な条項を入れたとしても無効です。

184条1項では、清算受託者は最終の計算を行って、承認を求めなければならないとされています。

信託法上のデフォルト(標準、初期設定)ルール以外の定めができる場合は、信託法の条文に「信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる」と記載されています。

184条には、この様な記載はありませんので、「最終の計算と承認を免除できる」という条項を入れても信託法上は無効と解されます。

信託法第184条
1項 
清算受託者は、その職務を終了したときは、遅滞なく、信託事務に関する最終の計算を行い、信託が終了した時における受益者(信託管理人が現に存する場合にあっては、信託管理人)及び帰属権利者(以下この条において「受益者等」と総称する。)のすべてに対し、その承認を求めなければならない。

2項 
受益者等が前項の計算を承認した場合には、当該受益者等に対する清算受託者の責任は、免除されたものとみなす。ただし、清算受託者の職務の執行に不正の行為があったときは、この限りでない。

3項 
受益者等が清算受託者から第一項の計算の承認を求められた時から一箇月以内に異議を述べなかった場合には、当該受益者等は、同項の計算を承認したものとみなす。


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