司法書士柴崎は、平成29年現在、市の空家対策等対策協議会の委員になっております。
空き家問題を考えるうえで、読んでいる書籍を紹介します。
空き家対策の実務
空き家問題を学ぶために初めの頃に買った書籍です。
空家対策推進特措法の解説、自治体の対応方法、実際の自治体の取り組みなどが載っています。
自治体の取り組みの実例などは大いに参考になると思われます。
非常に役に立った一冊です。
老いる家 崩れる街
既存の住宅はそのままに、農地を宅地にかえて新築住宅を建て続けることによって空き家問題が発生する仕組みについて書いてあります。
郊外の数十年前に造られた住宅団地は、子ども世代があまり住まないため、相続の発生により多くの空き家が発生すると思われます。
今のうちから対策を考えるべきでしょう。
埼玉県内の市町村が取り上げられており、埼玉県内で空き家問題に携わる方は読んでおいた方が良い一冊です。
空き家管理ビジネスが分かる本
親御さんが施設に入っていて、もともと住んでいた自宅が空き家になっている方というのも多いかと思います。
お子さんの方は、空き家がご近所迷惑になっていないだろうかと心配されているかもしれません。
そんな中で空き家管理の業務を行っている会社もあるようです。
月に1回空き家に行って、湿気がこもらないように風通しをしたり、排水溝の排水トラップに水を入れたり、建物の劣化がないか見たりするようです。
会社によっては、管理している旨の看板を立てて、近隣の人に対して何かあったら会社に連絡してくださいと言うような旨を記載しているようです。
空き家の近所の人は、空き家の所有者と連絡がつかなくて困ることもあると思うので、この様なサービスがあったら便利ですね。
ただ、「東松山 空き家管理」でインターネット検索をしても、東松山市内の会社の情報は出てこないので、取り扱っている会社は少ないのかもしれません。
不動産屋さんが空き家の管理をすることによって、将来の売却の相談なども受けられると思うので、地元の会社には積極的に空き家管理を検討してもらいたいところです。
上記は、空き家管理ビジネスを検討している会社に参考になる書籍です。
空き家にさせない!「実家信託」
意外と認識されていないのが、認知症になって判断能力がなくなると不動産は売れないということです。
成年後見人(法定後見人)をつけても、自宅不動産(居住用不動産)は家庭裁判所の許可がないと売れません。
そして、預貯金でご本人の生活費などを十分にまかなえる場合、家庭裁判所は売却の許可を出しません。
つまり、親御さんが施設等に移って誰も住んでいなくても、固定資産税や草刈代などの維持費を払い続けなくてはならないのです。
その問題を家族信託を使って解決しようとするのが本書です。
親御さんが元気なうちに自宅不動産をお子さんに託して、親御さんが認知症になってもお子さんが不動産を売れるようにしたものです。
家族信託を組むと初期費用はある程度かかりますが、誰も住んでいない不動産の維持管理費を考えると、決して高いとは言えないのではないでしょうか。
相続した田舎の困った不動産の問題解決します
成田空港の近くの田舎の不動産会社が、様々な田舎の不動産を売った話が載っています。
数十年前に作られた面積の狭い住宅団地の土地を売る話などは東松山市やその周辺地域でも参考になるのではないでしょうか。
司法書士柴崎も、相続登記などを依頼して頂いたお客さんが田舎の不動産を売りたいと希望しているケースで、田舎の物件に強い不動産屋を紹介することがあります。
田舎の物件は、不動産会社からすると手数料は少なくなるし、手間はかかるしで大手はやりたがらないかもしれません。
本書を読むことによって、空き家の売却、活用についてヒントを得られるかもしれません。
空き家大国ニッポン
空き家問題について士業の視点で書いてある書籍です。
分かりやすく書いてあるので、空き家で困っている市民の方が読むにも良いと思われます。
空き家問題は行政だけが動いても解決しないでしょう。
所有者側でも行動を始めましょう。