質問
家族信託(民事信託)を実際に組むにはどのような費用がかかりますか?
回答
家族信託を組むには、スキーム設計(コンサルティング)報酬、公正証書作成の公証人手数料、信託の登記の司法書士報酬と実費などがかかります。
具体的にいくらかかるかは当事務所の報酬目安をご覧ください。
概ね信託財産が1億円以下の場合は、スキーム設計報酬は信託財産の1%となります。
公証人手数料は信託財産の価格と契約書の枚数によって変わりますが、少なくとも数万円はかかります。
信託の登記の司法書士報酬は10万円からで、実費(登録免許税)は不動産の価格の0.4%(土地は0.3%)です。
実費や消費税を含むトータルの目安としては信託財産の1.5~2%ぐらいで、少なくとも数十万円からとなります。
家族信託はケースごとにオーダーメイドで作成していきます。
そのため、ご依頼者と何回も面談してスキームを設計していくことになります。
従いまして、家族信託の組成サービスにはある程度の費用がかかってしまいます。
他の制度ではできないことが可能になる家族信託のメリットと、他の制度でかかることになるコストを検討したうえで選択してもらえればと思います。
例えば、成年後見制度では財産は事実上凍結されてしまい、資産活用や相続税対策はできません。
そして、専門職の後見人がついてしまうと継続的に後見人報酬が発生してしまいます。
専門職後見人の報酬が月額3万円だったとすると、1年で36万円、10年で360万円となります。
また、生前贈与した場合とコストを比べてみましょう。
5000万円の土地を贈与登記した場合の不動産取得税と登録免許税は次のとおりです(平成29年7月時点の税率で計算)。
不動産取得税 | 登録免許税 |
---|---|
75万円 | 100万円 |
上記の他、生前贈与の場合は贈与税も発生することになります。
これが家族信託の設定時は、次のようになります(平成29年7月時点の税率で計算)。
不動産取得税 | 登録免許税 |
---|---|
0円 | 15万円 |
生前贈与と家族信託では、家族信託の方が160万円安いです。
5000万円の家族信託をした場合のコンサルティング報酬と登記報酬が60~70万円ぐらいだったとすると、報酬を加えても家族信託の方が安くできます。
なお、家族信託の見積は、不動産の登記事項証明書(登記簿謄本)と固定資産税評価証明書、信託する金銭の額が分かれば概算を計算できます。
固定資産税評価証明書は不動産所在地の役場の税務課(23区内は都税事務所)で取得できます。
不動産の登記事項証明書(登記簿謄本)は法務局で取れます。最寄の法務局はこちらからお探しください。
不動産の登記事項証明書(登記簿謄本)は当事務所で取得代行をすることもできますので、詳しくはご相談ください。
ケース別 家族信託 報酬目安
家族信託とは?
家族信託 よくある質問
- 家族信託とは何か?
- 家族信託のメリットは何ですか?
- 成年後見制度では相続税対策ができないのですか?
- 家族信託と成年後見制度の違いは何ですか?
- 家族信託の費用はいくらぐらいかかりますか?
- 信託銀行の遺言信託をしてますが家族信託はできますか?
- 家族信託の受託者の責任や義務を教えてください
- 受益者連続信託を行う期間に制限はありますか?
- 信託契約を変更することはできますか?
- 受託者が亡くなった場合はどうなりますか?
- 受益者と受託者が同じ人になってしまった場合はどうなりますか?
- 受益者連続信託を行った場合、遺留分はどうなりますか?
- 遺言代用信託で承継者を変更できないようにすることはできますか?
- 信託する際の登記の登録免許税はいくらかかりますか?
- 受益者代理人とはなんですか?
- 遺言書(遺言信託)と家族信託の違いは何ですか?
- 家族信託を組むと不動産取得税はかかりますか?
- 家族信託・民事信託のデメリットは?
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