家族信託を始めるタイミングは？

質問

親の財産について家族信託をしようかと検討していますが、家族信託をするタイミングはいつが良いのでしょうか？

回答

家族信託を導入するには、委託者となる親御さんが家族信託の仕組みや信託契約の内容を理解する必要があります。

例えば、認知症などで判断能力が低下してしまい家族信託の仕組みや契約内容の理解ができないということだと、家族信託は断念しなければなりません。

したがいまして、親御さんの判断能力があるうちに家族信託を導入するのが良いということになります。

親御さんに判断能力があって、家族信託の仕組みや契約内容を理解しているかどうかは、組成に携わる専門家・士業が親御さんと面談をして判断することになります。
一度だけの面談ではなく、初めに面談してから１～２週間あけて面談し、前回の内容を覚えているかなどもみていきます。

場合によっては、医師の診断書をお願いすることもあります。

最終的には、信託契約書を作成する際に、公証役場に行きますので、公証人と面談して公証人が親御さんが信託契約の内容を理解していないのではないかと判断すると、信託契約公正証書を作ってもらえないかもしれません。

なお、家族信託を一通り組成するのに、３ヶ月ぐらいかかることが多いです。

信託口口座を作成する金融機関の信託契約書案のチェックが３～４週間、公証人が信託契約公正証書の原稿を打ち込むのに３～４週間かかるかもしれないからです。

それも踏まえて、余裕をもってスケジュールを考えるのがよろしいかと思われます。

なお、親御さんの全財産を信託しなくても構いません。

親御さんがお金を２０００万円もっていたとしたら、はじめに５００万円だけを信託しておき、１５００万円は親御さんが自分の口座で自由に管理するということもできます。

そして、親御さんの判断能力があるうちなら、追加でお金を信託することができます。

このとき、わざわざ信託契約書を作り直さなくても大丈夫です。

したがいまして、親御さんの財産のうちの一部だけ取り急ぎ家族信託しておくということも検討の余地があります。

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