受益者が亡くなった場合はどうする?

親御さんを委託者兼受益者として、お子さんを受託者として信託をしたとします。

受益者である親御さんが亡くなった場合、どの様な流れにするか検討しましょう。

受益者である親御さんが亡くなったら信託を終了して残った財産を承継させる方法と、信託を終了させずに次の受益者に受益権を承継させる方法の二つがあります。

信託を終了させる方法

受益者である親御さんが亡くなったら信託を終了させる方法の場合は、信託契約書に受益者が亡くなったら信託を終了させる旨を記載しておきます。

そして、信託が終了したら残った財産(残余財産)を承継させる人(帰属権利者)を指定しておけば、その人が財産を承継することになります。

例えば、受益者の配偶者を帰属権利者に指定しておくと、受益者が亡くなったら信託が終了し、受託者が残った不動産を普通の所有権として受益者の配偶者に所有権移転登記します(信託の登記は抹消します)。
信託されていたお金は、受託者が受益者の配偶者の個人口座に振り込むなどして渡します。

なお、残余財産の帰属権利者が指定してある場合、受益者が亡くなった後に法定相続人の協議で帰属権利者を変えることは基本的にできないとお考えください(受益者の生存中に、受益者の意向で帰属権利者を変更できる余地は残しておけます)。
変えられるケースにおいても課税が問題となる可能性もあります。

また、受益者が亡くなったら法定相続人の協議で財産の取得者を決めたいという要望がある場合は事前にお知らせください。
受益権を相続の対象とし、法定相続人の遺産分割協議で取得者を決められるようにしておくなどの対策が必要になると考えられます。

信託を終了させない方法

受益者が亡くなっても信託を終了させない方法では、受益権を承継する人(第二次以降の受益者)を指定しておくことによって、受託者が新たな受益者のために信託財産の管理を継続できます。

委託者兼受益者が親御さんであり、受託者がお子さんであるケースにおいて、受益者の親御さんが亡くなったら次の受益者は配偶者であると信託契約書に指定しておけば、受益者の親御さんが亡くなったら、その配偶者が受益権を取得して新たな受益者となり、受託者は新たな受益者のために信託財産の管理をしていくということになります。

お父さんが当初受益者であれば、お父さんが亡くなった後は、その配偶者(お子さんからすればお母さん)が受益者となり、受託者のお子さんは、今度はお母さんに信託財産からの利益を給付していきます。

お父さんとお母さんの両名が亡くなった後は、受益権はお子さん達が均等の割合で取得するような形にしておけば、最終的には信託財産を換価してお子さん達で均等にお金を分けて終わりにするという流れも考えられます。

信託財産であった不動産を最終的には一部の相続人が単独で取得したいというケースでは予めその旨をご相談ください。

予めその様な設計にしておかないと、後で課税の問題が生じる可能性があります。


相続税の対象

受益者が亡くなったら信託を終了して残余財産を取得する方法でも、受益者が亡くなったら信託を終了させずに受益権を承継する方法でも相続税の課税対象にはなります。

信託したから相続税を払わなくて良いという話ではありませんので、ご注意ください。

次の記事:信託する財産を検討する

家族信託 導入の流れ

導入の流れ 解説PDFファイル

  1. 何のために家族信託をする?
  2. 役割を担う人を考える
  3. 相続発生時の承継者を検討する
  4. 信託する財産を検討する
  5. 受託者の責任と義務を知る
  6. 信託口口座を作成する金融機関を検討する
  7. 用意する書類は何か?
  8. 信託契約公正証書を作成する
  9. 組成後に受託者が行うこと
  10. 相続が起こったら
  11. 信託を終了・変更したいとき
  12. 不動産を売るとき



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