成年後見制度のデメリット(相続税対策はできない)

後見人に禁止されていること

後見人に禁止されていること

さいたま家庭裁判所が作った「後見申立の手引き」を引用します。

後見人に禁止されていることとして次のように書いてあります。

本人の財産を投機的に運用することや自らのために使用すること、親族などに贈与・貸付けをすることなどは、原則として認められません。

相続税対策を目的とした贈与やアパート建築等についても同様です。

成年後見制度は本人の財産を保護するためのものであり、推定相続人の利益を図るための制度ではないからです。

このように財産を投機的に運用することが禁じられておりますので、預貯金であった財産はそのまま預貯金で持っているというのが原則です。

そして、相続税対策もできません。

たとえ、ご本人が元気で合ったなら相続税対策を行っていたはずだったとしても、成年後見制度ではそれが認められないのです。


成年後見のデメリット

成年後見のデメリット

成年後見制度のデメリットをまとめたいと思います。

まず、前述したように、相続税対策はできませんし、積極的・柔軟な資産運用・管理もできません。

預貯金は預貯金のまま持っているということになります。

また、本人の財産を贈与することもできません。


次に合理的な理由がないと不動産を売れないということも挙げられます。

成年後見人が自宅不動産を売る場合、家庭裁判所の許可が必要になります。

例えば、預貯金等では施設費・生活費などがまかなえないというケースであれば、自宅不動産の売却許可もでると思います。

しかし、不動産を売却しなくても、今ある預貯金で施設費や生活費などが十分にまかなえるのであれば、不動産の売却許可は出にくいと思われます。

不動産を使わなくなったので、維持費を払いたくないから、管理が手間だからと言った理由では自宅不動産を売ることができないことが多いと思われます。

つまり、施設などに移ってしまい、自宅不動産に誰も住んでいなくても、売ることができずに、そのまま持ち続けなければならないのです。

空き家問題の原因にもなりかねません。


その他、成年後見制度では様々な費用がかかることもデメリットです。

まず、成年後見の申立をするときに、司法書士などの専門家に申立書の作成を依頼すれば、その報酬がかかります。

10万円ぐらいが一般的でしょうか。

実費も2万円前後かかりますし、「医師の鑑定」が必要になった場合は、医者の費用もかかります。

医師の鑑定の費用は5万円ぐらいが多いかと思いますが、病院によっては15万円ぐらいの所もあるようです。


次に、後見人に誰がなるかを決めるのは家庭裁判所です。

ご家族を後見人の候補者にすることもできますが、親族間で反対があったり、財産が多かったりする場合は、司法書士や弁護士などの専門職を後見人に指名することが多いです。

専門職が後見人となった場合は、ご本人が亡くなるか判断能力が戻るまで、後見人の報酬がかかることになります。

さいたま家庭裁判所が発表している流動資産が1000万円の場合の専門職後見人の報酬目安は月2万円です。

流動資産が1000万円超え5000万円以下では月3~4万円、流動資産が5000万円超えの場合は月5~6万円が報酬目安です。

その他、ご家族が後見人になった場合でも、後見監督人をつけられてしまうと、後見監督人の報酬がかかります。

後見監督人の報酬目安は月1~3万円です。

以上のとおり、後見人などに専門職がなった場合は、かなりの報酬が恒常的に発生することになります。


なお、ご家族が後見人に選ばれたとしても、家庭裁判所は後見制度支援信託という制度を使うことが多くなっています(東京では流動資産が500万円以上、埼玉では1000万円以上のケースで使われることが多いようです)。

親族後見人の手元には200万円ぐらいの預金だけを残して、他の預金は信託銀行に託してしまう制度です。

信託銀行に託したお金は、定期的な給付を除いて、家庭裁判所の指示がないと引き出せなくなる制度です。

この後見制度支援信託を使われた場合、初期の信託銀行との契約や預貯金の移動は、司法書士・弁護士などの専門職後見人が行います。

さいたま家庭裁判所は、このときの報酬を30万円と定めているようですので、ご家族が後見人になった場合でも、この費用がかかることになります。

また、ご本人が遺言書を作っていた場合、その存在に誰も気づかないと、預貯金が信託銀行に移ってしまいますので、相続開始後、ご本人の希望通りに財産が承継されないという問題もあります。

ご本人が、A銀行の預金は長男、B銀行の預金は長女というように遺言を作っておいても、A銀行の預金を後見制度支援信託で信託銀行に移してしまったらどうなるでしょうか?

長男は遺産をもらえないという結果にもなりかねません。

この様に、成年後見制度では、ご本人が元気なうちに遺言書を作っておいた場合、認知症発症後についた後見人によって財産構成を変えられてしまい、希望通りの財産承継が実現しないという可能性があるのです。


その他、ご家族が成年後見人になったとしても、家庭裁判所の監督下におかれ、毎年、報告書を裁判所に出さなくてはなりません。

このことも、ご家族が成年後見人になるうえで、負担になっているようです。

以上、成年後見制度のデメリットを見てきましたが、家族信託ならこれらの解決手段と成り得ます。

その説明を次のページ以降で行っていきます。


03.信託銀行じゃなくても受託者になれる?


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