なぜ公正証書で信託契約書を作る?

契約による信託の場合、法律上は公正証書で契約書を作ることは必須ではありませんが、いくつかの理由により公正証書で作るべきであると考えます。

まず、委託者に判断能力があり、委託者の意思に基づいて信託契約がなされたという裏付けの一つになります。

公正証書を作る場合は、委託者・受託者と公証人が面談をして、当事者の意思を確認するからです(委託者が信託契約の内容を理解していないようであると公証人が判断すると信託契約公正証書を作ってもらえないでしょう)。

また、公正証書は原則として20年は公証役場に原本が保存されますから、万が一、委託者や受託者が手元の信託契約公正証書を紛失しても再交付してもらえます。

信託契約は組成したら終わりではなく、組成後に数年、10年、20年、それ以上と長期に渡って継続していきますから、その間に契約書を紛失してしまうと、どんな契約だったのか分からなくなってしまいます。

この点でも公正証書にしておいた方が安心です。

最後の理由として、信託口口座を作成する場合、ほとんどの金融機関は公正証書を要求してきます。

この場合、信託口口座を作成するのであれば公正証書は必須となります。

公正証書作成の流れ

まずは専門家の支援を受けながら、どんな信託契約書にするのかを検討します。

信託契約書の案ができたら、信託口口座を作成する場合は、専門家が金融機関に信託契約書案を提出します。

金融機関のOKがでたら(金融機関のチェックに3~4週間かかることがあります)、専門家が信託契約書の案を公証役場に送ります。

公証役場が信託契約公正証書の原稿を作ったら(公証役場が原稿を作成するのに3~4週間かかることがあります)、委託者と受託者が公証役場に行って署名押印をして信託契約公正証書が完成します。

信託契約公正証書の正本(原本と同じ効力のある書類)をもらえますので、大事に保管しておきましょう。

公正証書作成後の手続

公正証書ができたら、必要に応じて次のような手続をします。

不動産の登記

信託契約公正証書が完成したら、不動産を信託する場合、司法書士が信託の登記申請をします。

信託口口座の作成

信託契約公正証書の正本を金融機関に受託者が持ち込んで信託口口座を作成します(金融機関によっては委託者も手続に行くケースがあります)。

信託口口座ができたら、そこに委託者が信託するお金を振込などによって入金します。

火災保険契約者の変更

火災保険の保険会社または代理店に「不動産を信託して所有者が受託者に変わったけど火災保険の契約者を変更する必要があるか?」と聞いて確認してください。

念のため信託登記をした不動産の登記事項証明書のコピーを見せておいた方が良いかもしれません。

また、万が一、火災がおきたときに保険金を請求できるのは誰かも確認してください。

委託者しか請求できないという話だと、そのときに認知症で判断能力がなかった場合、成年後見人をつけないと保険金を受け取れないかもしれません。

賃料振込先の変更

賃貸物件の場合、信託後は賃料を受託者の作った信託口口座に変更してもらうことになりますので、賃借人にその旨を連絡しましょう。

管理会社に管理委託している場合は、管理会社に連絡しましょう。
管理委託契約を受託者と結び直すかもしれませんので、必要に応じて手続しましょう。

家族信託 導入の流れ

  1. 何のために家族信託をする?
  2. 役割を担う人を考える
  3. 相続発生時の承継者を検討する
  4. 信託する財産を検討する
  5. 受託者の責任と義務を知る
  6. 信託口口座を作成する金融機関を検討する
  7. 用意する書類は何か?
  8. 信託契約公正証書を作成する
  9. 組成後に受託者が行うこと
  10. 相続が起こったら
  11. 信託を終了・変更したいとき
  12. 不動産を売るとき

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